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信濃川大河津分水 いきもの観察&おえかき会

新潟県

燕市児童研修館「こどもの森」

地域の治水に大きな役割を果たす大河津分水にお出かけし、水路のいきものを観察しスケッチしました。いきもの観察の先生とおえかきの先生、二人のプロに活動をサポートしていただきました。

開催日

2024年07月06日(土)

スケジュール

大河津分水とは、日本一の水量をほこる信濃川の流れをコントロールし、越後平野を水害から守るだけでなく、生活や農業に必要な水を与えてくれる施設です。江戸時代から明治時代にかけて、信濃川や中ノ口川などの堤防決壊による水害は3年に1度。その度に越後平野は壊滅的な被害を受けました。また、越後平野の西側に弥彦山や角田山が連なるほか、海岸には標高20mほどの砂丘があり、お盆のような形をしていることから、ひと度あふれ出た濁水はなかなか引かず、「こもり水」として恐れられました。越後平野を水害から守るためには大河津分水の建設が不可欠と考えた人たちの努力により、昭和6(1931)年に可動堰が完成しました。
私たちの生活を水害から守ってくれる大河津分水は、多くの生き物たちが住むところでもあります。近年、Eco-DRR(生態系を活用した防災・減災)という考え方が重要と認識されています。地域特有の生態系を生かしながら人々の生活も守っている場を、楽しみながら知る一日として企画しました。
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当日は、いきもの観察の先生、樋口勲さんが、早朝から大河津分水路のいきものを捕まえ、子どもたちが観察できるように準備してくださいました。何種類ものいきものがいてワクワクします!

おえかきの先生は、新潟市在住の絵本作家・イラストレーターのエイキミナコさん。エイキさん自ら、事前に用意してくださったいきものの絵を飾り、今日の進行も書いてくださり、準備万端です。

エイキさんから観察のコツを聞き、おえかき会からスタートです。途中、元気な魚が水槽から飛び出すアクシデントもありましたが、みんな真剣に細かな特徴をとらえて描いていました。せっかくの機会なので、大人にもスケッチに参加してもらいました。

みんなが描いた絵をぐるっと回って鑑賞。その後、お気に入りの1枚を持って記念撮影しました。

後半は外に移動して、実際に体験水路に入っていきもの観察です。写真は登録有形文化財の旧洗堰です。

水路での観察の様子は、ぜひ写真をご覧ください。みんなとっても楽しそうです!
先程スケッチしたいきものも見つけることができました。

最後に樋口さんから、大河津分水がなぜ作られたのか、いきものが暮らしやすい環境についてお話しを聞き、活動終了です。・・・が、名残惜しい子どもたちは、いつまでも樋口さんそばを離れたくない様子でした。
 

参加者の声

・絵をかいたり、魚やえびをとったりして楽しかったです。とくに絵をかくとき、魚が動いてすごく書くのがむずかしかったけど、絵がかんせいしたとき、すごくそうかいな気分になったのでうれしかったです。(小学4年生)
・あみでとったちいさなさかなのなまえをおしえてくれてありがとう。(小学1年生)

※以下、保護者感想
・水路に入る体験ができて、子どもたちも楽しめましたし、魚や水路について、また大河津分水のことも知れて参加して良かったです。
・大河津分水に住むたくさんの生き物が知れて良かったです。
・子どもたちが生き物に触れることができてとても良かった。安全に配慮されており、安心して参加できた。存分に楽しめたのは、スタッフの方の協力のおかげでした。
・近所にこうした自然や川に触れるところがほとんどなく、そうした機会が欲しいと思っていましたので、とても良かったです。子どもも魚や自然が好きなので、とても楽しんでいて大満足でした。絵をかくのも大好きなので、今日の企画は我が子にピッタリでした。

参加人数

48人(子ども22人・大人26人)

よかったところ

・エイキさんが今日のためにオリジナルイラストのステッカーを用意してくださいました。早速自分の水槽に貼っている子も。良い記念になりました。
・先にいきものをじっくりと観察したことで、水路に行くワクワク感が高まったと思います。観察会になれている樋口さんのおかげで、素晴らしいプログラムになりました。安全面にも十分に配慮し、準備してくださったことはとてもありがたかったです。
・燕市の治水に欠かせない施設に出向き、施設の意味を学びながら、子どもたちの大好きないきものとも触れ合え、とても有意義な時間だったと思います。

苦労したところ

・天候に左右される企画のため、雨天時の対応、又猛暑対策も検討しなければならなかった。こどもの森職員だけでは対応しきれない部分が多くあり、樋口さんに頼る部分が多かったと思う。
・申し込みが必要とチラシに明記していたにもかかわらず、当日会場に数組の親子が来てしまった。用具や安全面から参加を断ったが、チラシの作成に工夫が必要だったのかもしれないと思った。

助成金が活用できた点

・地元で活躍している絵本作家さんを講師にお迎えできました。
・チラシを燕市内の全小学生に配布できました。
・おえかきに必要な用具をそろえることができました。

協力

Love River Net
NPO法人信濃川大河津資料館友の会

主催・共催

燕市児童研修館「こどもの森」

協賛

損害保険ジャパン株式会社