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防災ディキャンプ

福井県

朝日児童センター

自分の身は自分で守る!避難リュックを担いで避難所(児童センター)へ。避難所での生活などをみんなで疑似体験してみよう!

開催日

2025年06月14日(土)

スケジュール

避難リュックを担いで来館。「自分で入れてきた」「重たかった~」等、担いで歩いてみて実感した様子。

①持ってきたものなぁに?

 

みんなでホールに集まってリュックの中身を出し、まず、防災士の宮川さんとチェックリストを見ながら「あっ、これあるよ」「お水こんなにない」、「ごはんは我慢できてもトイレは我慢できないね。非常用トイレはあるかな?」など持ってきたものを点検。その後、他の人の持ってきたものをみんなで見て回りながら「お水はちゃんとあるよ。でもペットボトル重たかったー」「トランプいいね!」「けん玉だ」「ぬいぐるみ!抱っこ出来て大好き」「こんなにカード持ってきてる」「僕にはこれは絶対必要!」等、自分でリュックに詰めた思いを話したり聞くことができ、「とても参考になった」「もう一度中身を考えよう」との感想が多かったです。

②避難所に行くには? SOMPO流「逃げ地図」づくり

 

「日本は4つの大きなプレートの上にあって地震が起こりやすいし、台風の通り道にもなっていてスーパー台風などの被害が大きい。どうしたらいいですか?」損保ジャパンの山本さんからの問いかけに、「逃げる!」とこどもたちの声。ハザードマップの確認やリスクコミュニケーション(危険などの情報を関係するみんなで共有し、相互に理解を深める為に話し合うこと等)が大切だと教えていただき、さあ、逃げ地図づくりの開始。
白紙の地図に逃げ地図ロール(3.5センチの紐)を使って避難所から道を色づけ。自分や友だちの家や学校、児童センターなど知っている場所を見つけながら「こっちの道は近いみたいだけどあまり通ったことがない」「この道も近いけど坂がきついよね」「この辺りは家がたくさんあるのに避難所がないね」「避難所が遠いここの辺りは早く逃げないと」「日野川があるのに高台が一つもない」「誰かと避難の練習がしたい」と各グループ早速リスクコミュニケーションが展開されていました。
各グループでの気づきの発表でも「避難所がこんなところにあるんだと初めてわかった。避難場の場所がわかってよかった。」「高台までが遠い」「どこの避難所に逃げるか家の人と話し合った方がいいと思った」と気になったことや気づいたことをみんなで共有し、最後に山本さんより「みなさんたくさん話し合ってましたね。みんなで話し合うことがとても大事です。今日の気づきをぜひ周りの人たちに発信して共有し、共通認識を深めて本当の災害に備えてください。」と教えていただきました。

③おひるごはん(非常食)は自分でつくろう!

  

「避難所にきて3日目くらいから温かいものがほしくなる。水は貴重なのでできるだけ少ない水で作ってみましょう」日本赤十字社福井県支部の斎藤さんから耐熱袋でのごはんづくりを教えていただき、早速挑戦!先に高学年の人から作り、様子を見ていた低学年のこどもたち。これなら自分もできるかなと自信をもってはじめてみたもののドキドキ。その姿に高学年のお兄さん、お姉さんたちが手を貸し、支えてくれながらみんなが自分で自分の袋ごはんを作りました。あとはグラグラと沸かしたお湯にポトンと沈めて30分。できるまでに、先に試食用で作っていただいていた袋ごはんと市販されている長期保存可能食品を用意し、自分の食べてみたいもの気になるものを各自でお皿にもって、さぁ、おひるごはん。
「いただきます」「うん。袋ごはん、美味しい。」「温めないでも食べれるこのレトルトパックのおかずかけると、あちちのごはんが食べやすい」「お湯入れてふやかしたエビピラフ美味しい」「缶詰のごはんも初めて食べた。ちゃんとやわらかい」等、いろいろな種類に挑戦して「これ好きだから、リュックに入れておくのこれがいい」等、おしゃべりしながら楽しく試食しました。
試食の途中で自分のつくった袋ごはんが出来上がりましたが「お家に持って帰って、おうちの人にも食べさせたいな」と。「大丈夫。日持ちします。」と、お持ち帰り用に。最後に長期保存用のおやつなども試食しました。

④段ボールベッドを組み立ててみよう

   

「寝る時はやっぱり自分だけの空間がほしいし、必要ですね。越前町の防災備品倉庫に段ボールベッドが150セット備蓄されています。みんなで力を合わせて組み立ててみましょう」防災士の安井さんから教えていただき、作業開始。屋内用の段ボールベッドと折りたたみ式ベッド、テントを2チームに分かれて組み立てました。箱を作って合わせて「こうかな?」「こっちかな?」こどもたちで協力しながら防災士さんも驚く程の手際で完成。実際に寝てみて寝心地を確認したり、みんなで並んで座ったり。大人が中心になってテントを張るとこどもたちは出たり入ったり嬉しそう。段ボールベッドをテントの中に入れると、「お部屋になった」「いいね!」「落ち着く」と気に入った様子。折りたたみベッドは、段ボールベッドよりも幅が狭いのですが、「こっちのベッドが、すっぽりはまっていい」等、それぞれの心地を試していました。
安井さんは「断水した時など非常用トイレが必要」とトイレ用テントと非常用トイレも1組用意してくださり、懐中電灯をつけて一人ずつトイレテントに入ってみると「暗くてちょっと怖かった」「閉めると暑かった」「トイレは絶対必要だから個室になるのはうれしい」「避難所生活の不便さが少しわかった」と感じたようです。

⑤気づき

 

小学生からは、「災害がおこったあとのことも知れてよかったです」「たのしかった。いろんなぼうさいどうぐのいれてないものをリュックにいれようと思いました」や大人からは、「こどもたちがとても楽しみながら学べた様子だった。いろいろな非常食を試したり、他の人の避難リュックの中身を見ることで新しい発見がありよかった。」「こどもと一緒に荷物を用意した時には今一つ準備物の想像がつかなかったが、防災士さんとリュックの中身を確認したことで、少しずつ避難グッズの理解ができたので、今日のように体験することの大切さを感じました。」など、皆さんで気づいたことを共有し、最後に防災士の宮川さんにアドバイスをいただきました。「今日体験したことは、将来必ず役に立つ時が来る。今日参加したこどもたちがリーダ―になって行動してほしいし、できるはず。災害が起こった時にこどもたちにできることは、『逃げよう』と大人を動かすこと。学校などで訓練しているこどもたちだからできる。こどもの元気な姿は大人のパワーになる。避難所で大人を楽しくさせる。地域を知ってる人が教えてくれたたくさんのことを、今日だけでなく、継続的に防災について考えて、広めていけるようにしていきましょう。」

参加者の声

小学生
「災害がおこったあとのことも知れてよかったです」
「たのしかった。いろんなぼうさいどうぐのいれてないものをリュックにいれようと思いました」
「逃げ地図は作っていくとカラフルになった。げんじつがみえた」
「逃げ地図をつくって家の人と防災会議をしようと思った」
「避難所まで実際に歩いてみたいと思った」
「非常食がとってもおいしかった。自分で作れてうれしかった」
「もっと非常食が知りたいと思った」
「もっといろいろな非常食を学んで自分で作ってみたい」
「段ボールベッドがすごかった」
「段ボールベッドが気持ちよかった」

大人
「こどもたちがとても楽しみながら学べた様子だった。いろいろな非常食を試したり、他の人の避難リュックの中身を見ることで新しい発見がありよかった。」
「こどもと一緒に荷物を用意した時には今一つ準備物の想像がつかなかったが、防災士さんとリュックの中身を確認したことで、少しずつ避難グッズの理解ができたので、今日のように体験することの大切さを感じました。」
「異年齢交流がとても大切だと感じた」
「初めて体験することがあり、学びが多くありました。こどもたちの元気が何よりです。」
「こどもたちの発表を聞いて、こどもなりにきちんと考えているなあと感心しました」
「つながる防災プロジェクトに参加して『防災』のイメージが180°変わりました。今までは、避難所=「暗い」「寝床ない」、非常食=「美味しくない」「冷たい」「時間がかかる」「作り方が難しい」だったのですが、今回、防災関連グッズにはすばらしいものがたくさんあることを知りました。また、自分でやってみて、体験したり、口にすることで気づくことがたくさんありました。本当の場面では、もっと深刻な気持ちになるのかもしれませんが、それでも今日の経験をいかして希望をもって前を向いて進んでいきたいと思いました。」

参加人数

29人

よかったところ

・ゆったりとした時間配分で計画したので、参加者(大人、こども含め)のペースで行うことができました。
・講師の損保ジャパンの皆さんや日本赤十字社の方、防災士さんのお力をお借りして、より専門的な話や内容もあり、とても有意義なディキャンプとなりました。皆さん本当にありがとうございました。
・前回開催の『まなぼうさい!』にも参加されてた保護者さんから、次回開催予定の『七夕であそぼうさい!』でのブースをご協力いただけることとなり、皆さんとつながりながら「誰一人取り残さない」防災の取り組みがひろがっていってほしいと思います。

助成金が活用できた点

お米や市販の非常食などが購入でき、自分で避難食を作ることが出来ました。

協力

越前町役場 防災安全課
越前町社会福祉協議会
越前町防災士会
日本赤十字社 福井県支部
日赤奉仕団 朝日支部
朝日地区地域ボランティア
朝日児童母親クラブ
損害保険ジャパン株式会社 福井支店

主催・共催

朝日児童センター

協賛

損害保険ジャパン株式会社